Excelでアンケート自由記述を集計する方法|テキストデータ分析の基本

アンケートを実施すると、選択式の設問は集計しやすい一方で、自由記述回答の扱いに悩むことがよくあります。
回答者の本音や具体的な意見が見える反面、そのままでは件数集計しにくく、表やグラフにもまとめにくいからです。

たとえば、次のような場面です。

  • 満足度アンケートの「改善してほしい点」

  • 社内調査の「困っていること」

  • イベント後アンケートの「自由コメント」

  • 商品レビューの「要望・不満・感想」

  • 顧客満足度調査の「具体的なご意見」

こうした自由記述には、定量データでは拾いにくい重要なヒントが含まれています。
しかし初心者のうちは、次のような悩みを持ちやすいです。

  • 自由記述をどうやってExcelでまとめればいいのか

  • 件数集計はどうするのか

  • 似た意味の回答をどう分類すればよいのか

  • そのままコピペして終わりではダメなのか

  • よく出る単語を調べるにはどうするのか

  • グラフにするには何を数えればよいのか

  • Power Queryは使った方がよいのか

  • 実務ではどのレベルまで分析すれば十分なのか

結論から言うと、Excelでも自由記述の集計は十分可能です。
もちろん本格的な自然言語処理ツールほど高度ではありませんが、実務で必要なレベルの整理・分類・件数集計・傾向把握であれば、Excelだけでもかなり対応できます。

この記事では、Excelでアンケート自由記述を集計する方法について、基礎から実務的な進め方までを丁寧に解説します。
単なる関数紹介ではなく、どんな順番で整理すれば見やすいレポートになるのかまでわかる内容にしていきます。


自由記述集計で最初に理解しておきたいこと

自由記述の集計では、まず重要な前提があります。

それは、自由記述はそのままでは集計しにくいということです。

選択式アンケートなら、たとえば

  • 満足

  • やや満足

  • 普通

  • やや不満

  • 不満

のように最初から分類が決まっています。

しかし自由記述は、回答者ごとに表現が違います。

たとえば「改善してほしい点」という質問でも、次のようにばらけます。

  • 待ち時間が長い

  • もっとスムーズに受付してほしい

  • 受付の対応が遅い

  • 混雑を改善してほしい

  • 案内がわかりにくい

  • スタッフ対応が冷たい

このままでは、件数を数えるのが難しいです。
そのため、自由記述集計では通常、次の流れを取ります。

  1. 回答を一覧化する

  2. 内容を読みながら分類ルールを決める

  3. 似た内容を同じカテゴリへまとめる

  4. カテゴリごとに件数を集計する

  5. 必要に応じて頻出語や代表コメントを整理する

つまり、自由記述の集計は
文章をそのまま数えるのではなく、意味を整理して集計可能な形へ変換する作業
だと考えるとわかりやすいです。


Excelで自由記述を集計する全体の流れ

実務で失敗しにくい進め方は、次の順番です。

1. 生データを整える

自由記述回答を1行1回答で並べる

2. 不要データを確認する

空欄や無意味な回答をチェックする

3. 分類用の列を追加する

カテゴリや感情、テーマなどを付ける

4. 件数を数える

COUNTIFやピボットテーブルで集計する

5. 代表コメントを抜き出す

数値だけでなく、生の声も一緒に示す

6. 必要に応じて頻出語を見る

どんな単語が多いかを補助的に確認する

この流れを理解しておくと、Excelでの自由記述分析がかなり進めやすくなります。


まずは生データを整理する

最初に重要なのは、データの持ち方を整えることです。

自由記述の集計は、元データの形が悪いと一気にやりにくくなります。

基本の持ち方

理想は、1行に1人分の回答、または1行に1つの自由記述です。

回答ID 年代 満足度 自由記述
1 20代 満足 スタッフの対応が丁寧でした
2 30代 普通 待ち時間が少し長かった
3 40代 不満 案内表示が分かりにくい
4 20代 満足 会場がきれいで安心した

この形にしておくと、

  • フィルター

  • 並べ替え

  • 関数

  • ピボットテーブル

が使いやすくなります。

よくない例

  • 回答がセル結合されている

  • 複数人分が1セルにまとまっている

  • 自由記述が複数列にばらばら

  • 見た目優先で表として壊れている

自由記述分析では、見やすさより機械的に扱いやすい表形式が大切です。


空欄や不要回答を確認する

自由記述には、分析対象にしなくてよい回答が含まれることがあります。

よくある例

  • 空欄

  • 特になし

  • なし

  • とくにありません

  • ありません

  • 特にないです

これらをどう扱うかは、分析目的によって変わります。

たとえば

  • 改善要望を分析したい → 「特になし」は除外してよい

  • 回答率も見たい → 「特になし」も1件として保持する

Excelで確認する方法

まずはフィルターで自由記述列を確認します。

また、LEN 関数で文字数を見るのも役立ちます。

=LEN(D2)

これで文字数がわかるので、極端に短い回答を確認しやすくなります。


自由記述を分類する列を追加する

ここが自由記述集計の中心です。

自由記述をそのまま数えるのではなく、分類用の列を追加して意味を整理するのが基本になります。

たとえば追加する列

回答ID 自由記述 大分類 小分類 感情
1 スタッフの対応が丁寧でした 接客 スタッフ対応 ポジティブ
2 待ち時間が少し長かった 運営 待ち時間 ネガティブ
3 案内表示が分かりにくい 案内 表示 ネガティブ
4 会場がきれいで安心した 環境 清潔感 ポジティブ

よく使う分類軸

  • 大分類

  • 小分類

  • ポジティブ / ネガティブ

  • 要望 / 不満 / 感想

  • 部門別

  • 商品別

  • サービス別

この分類列を作ることで、Excelで件数を数えやすくなります。


分類はどう決めればよいのか

初心者が悩みやすいのが、「分類をどう作ればいいか」です。

おすすめの進め方

最初から完璧な分類表を作ろうとしないことが大切です。

まずは20〜30件ほど読んで、よく出るテーマを見つけます。

例: イベント満足度アンケートなら

  • 接客

  • 待ち時間

  • 会場設備

  • 案内

  • 内容

  • 料金

のような大きなテーマが見えてきます。

そのあと、必要なら細かく分けます。

接客
→ スタッフ対応
→ 説明のわかりやすさ
→ 親切さ

案内
→ 表示
→ 受付導線
→ 会場地図

ポイント

  • 分類数を増やしすぎない

  • 後で集計できる粒度にする

  • 迷った回答の扱いルールを決める

実務では、最終的に上司や関係者へ説明しやすい分類にするのが大切です。


1回答に複数の要素がある場合はどうするか

自由記述では、1つの回答に複数の意見が含まれることがあります。

「スタッフの対応は良かったですが、待ち時間が長かったです」

この場合、

  • 接客 → ポジティブ

  • 待ち時間 → ネガティブ

の2要素があります。

対応方法は主に2つ

方法1: 主な内容だけ分類する

最も重要そうな内容に1つだけ分類する

方法2: 分解して複数行にする

1回答を複数レコードとして扱う

実務ではどちらがよいか

シンプルな集計なら、1回答1分類でも十分です。
ただし、改善点分析などでは、複数要素を分けて記録した方が精度が上がることがあります。

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